|
2008年3月10日 巣立ちの時
桑沢デザイン研究所の卒業制作展を覗いてみた。 同校は創立者・桑澤洋子さんが私塾として立ちあげたものであり、 数多くの才能を排出したデザイン専門学校として知られる。 私は同校で年1回集中講義を行っている。 卒業生たちによるファッションショーをビデオで見た後、 数多くのテキスタイルの提案作品を拝見した。 若さとはいいものである。発想に迷いが無く、こちらの 心にスパッと切り込んでくる。これからは「構想力とク リエーション」の時代だが、これらのクリエーションが どのような場を得て、全体の構想力と結びついていくか、 大変楽しみである。感性は論理と結合したとき に、はじめて説得力を持ち、ひとつの世界を形成する。 「巣」とはもともと「集まりとどまる」という意味だ。 その居心地のいい巣から若者は個人となって巣立つ。 若者の創造力が世界目線と重なったとき、 本当の日本の文化発信が生まれるだろう。
|