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2008年4月17日 ホロン知の挑戦
私は立命館大学大学院経営管理研究科の教授を 勤めさせていただいている。 その第一クオーター(四半期)の授業が始まった。 場所は06年9月に開設された朱雀キャンパスである。 同キャンパスは、 世界と地域に開かれた「知の創造拠点」となるべく、 多彩な高度専門職業人養成大学院と学園本部で構成されている。 今クオーターの学習テーマは「市場創造」である。 大切なことは部分から入って部分のまま帰結しないことだ。 全体から入って部分を分析し、 再度全体へと集合的に戻ったとき、 その全体は最初の全体より大きい。 個別を超えた全体は、個別の総和以上の力を持つということだ。 いわゆるホロン思考である。 ホロンとは哲学者アーサー・ケストラーが提唱した概念で、 ギリシア語で全体を意味するholosに、 部分を意味するon をつけた造語である。 全体を部分に分けて、 部分の原因と結果を追求する還元主義からの脱却は、 21世紀の知の大きな課題だろう。 ホロンは還元主義による閉鎖的な思考を 打開する知として生まれた。 世界には還元主義では解決できない課題が山積している。 ホロン知の大いなる挑戦こそいま求められている。
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