|
2008年5月19日 自己と主体性
今回の中国の四川大地震は、想像を絶している。 阪神・淡路大震災の20倍のスケールだという。 もはやイメージすることができない。 私も阪神・淡路大震災の時は、 当地に親戚や知り合いも多く、 水などを持って駆けつけた。
今回の中国の大地震と重ねて思うのは、 情報の時代の逆説的な怖さである。 メディアはものすごい勢いで情報を発信してくるが、 その情報の元となった事実と自分を重ね合わせるのは難しい。 情報を知れば知るほど、 自己の主体的認識が薄れていくのである。 テレビやパソコンで全部知った気分になるのだ。
今日の日経新聞(5/19朝刊)に作家の童門冬二氏が 「IT依存症」の怖さについて述べられていたが、同感する部分も多い。 「電子機器に支配されている」であり、 「血の通い合いがなくなり、人間がロボット化してきたという不安」である。 ロボットに実存的な自己と主体性はない。 その現場の中に実感的に自己をおくことができる主体性こそ、 実は人間とロボットを分ける差なのだ。 常に自己の主体性を失わない社会でいたい。 |