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2008年6月23日 コミュニティ・コンテスト
副都心線が誕生した。東京では最近のビッグニュースである。 私もさっそくウォッチングに出かけた。
メディアも池袋・新宿・渋谷の百貨店戦争のような視点で、 大々的に取り上げている。 このような広域の視点もいいが、 実は中間のより小さな駅のほうに、これからの文化的集客力はあるだろう。 事実、12チャンネルの人気番組「アドマチック天国」で 西早稲田駅周辺を取り上げていたが、 横丁、路地、地元の名店などが紹介されていて、 小さなコミュニティのもつ豊かな文化性を伝えていた。 夏目漱石や永井荷風が眠る雑司ヶ谷も、 文学的な散策の場所として、早くも注目を集めている。 三鷹も同様、太宰治ゆかりの地として人気があるそうである。 散歩というよりも「散策」の時代に入ったらしい。
大都市の魅力は、小さなコミュニティの集積によって果たされている。 その多様性と文化差異が、 東京という大都市の魅力のインフラになっているのだ。 京都も同様である。 どちらが便利かというような合理的な視点を超えて、 どちらが魅力的か、なのだ。 この視点を間違えると、 またかつての量のマーケティングに引き戻されてしまう。 より小さくより密度の高いコミュニティの魅力を競い合う時代である。
それを「コミュニティ・コンテスト」と呼んでみた。 競争軸はコミュニティの文化的魅力にある。 人々は歴史文化、自然文化、人間文化を探しに小さな旅をする。
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