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2008年7月25日 創意について
いづ重は八坂神社近くの鯖ずしの老舗である。 看板メニューの鯖姿ずしは、 真サバと薪で炊いたごはんの組み合わせだ。 京都は伝統的に保存食に優れた土地柄だが、 この鯖ずしなどもその典型だろう。 魚でも野菜でも、いかに保存できて、 しかもおいしいく食べられるかに知恵を傾ける。
環境とは面白いもので、何でもそろっているよりも、 かえって足りないほうが創意と工夫が出る。 映画などもそうだが、 デビュー作のほうが予算が少ない分だけ 知恵でカバーしようとするから、面白いものができるのだ。 スピルバーグの監督デビュー作「激突」などは、 予算の関係でわずか2週間で撮ったそうだ。 その代わり、ひとつのシーンを何台ものカメラで同時に撮って、 後で編集して見せたのである。
創意と工夫は足りないところから生まれる。 日本人の知恵の原点はここにあるだろう。 |