● 少年の旅は続く |
2008年9月29日 ライフスタイル・コンセプト
市場の価値は顧客が決める。 そのためには、すべてを顧客起点で発想するしかない。 顧客の要請を聞き、分析し、それを具体的施策に変えていく。 企業の永続的成功は、この一点しかない。 顧客は、生活とは時間の過し方だと気づいた。 つまりライフスタイルに目覚めたのである。 生活を延長すれば人生だが、 ライフスタイルとは、生活の暮らし方と 人生時間の過し方のデザインだということである。 市場を顧客の時間の過し方へのアンサーだと見ること、 消費はすべてライフタイルから生まれるものだと認識しよう。
この視点をコンセプトに、『ライフスタイル・コンセプト』を上梓した。
目次をご紹介する。 ◎第二章 少子化のライフスタイル~プリンス&プリンセスマーケット~ ◎第三章 高齢社会のライフスタイル~ストックの整理と活用~ ◎第四章 学習と自己表現~発表の場と評価を求めて~ ◎第五章 自由時間とライフスタイルツーリズム~暮らすように旅する人~ ◎第六章 都心回帰・中心回帰~プロサービスを求めて~ ◎第七章 ホームミュージアム、ホームライブラリー~自己財を社会財へ~ ◎第八章 シティツーリズム~ホテライゼーションとカルチャーモール~ ◎第九章 エコロジストスタイル~3つのREコンセプト・生命体認識~ ◎第十章 生活デザイナー・生活芸術家~クッキングからインテリアまで~ ◎第十一章 世界都市化とライフスタイルミックス~多様性の集積地~ ◎ 第十二章 マイライフスタイルスケッチ~自己の生き方像を構想する~ ●2008.10 繊研新聞社(¥1714円+税86円)
● 本書は通販にて繊研新聞社より販売されています。 本サイトでお申し込みいただくか http://www.senken.co.jp/book/ までお問い合わせください。
2008年9月25日 TOMORROWLAND賛歌
ウィメンズ・メンズウエア、服飾雑貨、アクセサリーなどの 企画、生産、販売、輸入業務、飲食店の経営などを 手がける「トゥモローランド」が30周年を迎えた。 代表取締役の佐々木啓之氏とは、 はじめて面識を得てから25年くらいになる。 海外にもご一緒させていただいたこともある。 業績もきちんと伸ばされ、 今や日本のセレクトショップの代表格のひとつなった。
佐々木氏は、クリエーター才能とビジネスマン才能が 見事に結合している人だ。 意外とこの二つが結びついている人はいないのである。 私も自分の会社を興して来年で30年になる。 同志感を覚えるのは、 分野は違っても同じような生き方をしてきたからだろう。 こんごのトゥモローランドと佐々木氏の活躍を祈られずには入られない。 本当におめでとう。
2008年9月16日 シティ・イン・シティ構想力
この3連休、私が教鞭をとっている 立命館大学大学院経営管理研究科の学生40名を率いて、 東京のフィールドワークを行ってきた。 写真はミッドタウンから見た六本木ヒルズである。
現場百回というが、現場から学ぶことは非常に重要だ。 理論と現場の間には必ずギャップがあり、 もし双方が食い違ったら、訂正するのは理論のほうなのである。
ウォッチングして回った。 新しい都市の開発テーマとして注目されている 「アート」による街起こしである。 六本木ヒルズの森美術館、東京ミッドタウンのサントリー美術館、 そして国立新美術館である。 ミッドタウンでは開発を担当された尾崎哲夫氏、 六本木ヒルズでは商業施設担当の松永淳氏から それぞれレクチャーをいただいた。
小都市の集合体によって作られる。 東京は小東京の集合によって作られるのだ。 東京全体のテーマとともに、 重要になるのはそれぞれの小東京のテーマ設定である。 特にこれからの都市はアート&ミュージアムが、 その大きな核をなすだろう。 その意味で六本木のアートトライアングルは、注目すべき実験である。
テーマに顧客が集まり、 集まることがまたテーマを磨いてさらに集客する。 このようにして、都市と顧客は育つ。 ひとつの都市構想を目の当たりにした学生にとって、 刺激になったことだろう。 2008年9月11日 コンセプト・イズ・カラー
色に注目が集まっている。 美意識が重要な要素になった ビジュアル・コミュニケーションの時代になれば、 色彩のウェイトがさらに増すのは当然のことだろう。
色のすごさは、その中にメッセージも意味も心理も内包できることにある。 色を見て何も感じない人はいないだろう。 どのようなものを見ても、それが山であれ花であれ、 雲であれ夕焼けであれ、 どのような色を見ても 必ず何かを感じてしまうのが感性というものであり、 そこから芸術も宗教も生まれてきたのだろう。
何を見ていたのかといえば、色と形と動きである。 色のない形はなく、形のない色もなく、動きのない形もない。 世界は動く色で構成されているのだ。 カラー・イズ・コンセプト、カラー・イズ・メッセージである。
色をコンセプトと捉えるコミュニケーションは、 地球コミュニケーションの時代の基本になるはずだ。 デザインの絶対的本質のひとつは「色」なのだ。
2008年9月 9日 ニューヨークとナイトライフ
都市文化の成熟は、ナイトライフの成熟と平行しているだろう。 先週、弊社のツアーで、ニューヨークへ1週間ほど行って来た。 ブロードウェイでミュージカルの「シカゴ」を見てきたのだが、 オーディションを勝ち抜いて選ばれたダンサーたちの力量は、 さすがにプロといった感じである。 要は自己確信と自信に満ち溢れているのだ。
日本のヅカガールの5ヵ条とは、 マチュアライフ研究所の渋井真帆氏の分析によれば、 1.役割に徹し 2.コンディションを整え 3.チームプレーを忘れず 4.常に精一杯に取り組み 5.相手の期待に最大限応える、 ことだそうだが、まさにブロードウェイの ダンサーたちにも共通するものを感じた。
終わったのが11時近くで、それから食事である。 ブロードウェイでは9時、9時半ごろの開演も珍しくなく、 夜は大人の時間である。 エンターテインメント&アートで世界集客を 目標にしているニューヨークの戦略が見える。 日本で言えば東京にも京都にも、 このようなナイトライフ戦略が必須である。 ナイトライフ戦略は世界観光の要になるだろう。 2008年9月 8日 コミュニケーションに生きた人。
本書は旧国鉄からJRへの転換期に生き、 その後日本交通公社常務から 駅レンタカーシステム社長を務められた 神原昭夫氏が書き綴られてきた文章を、 奥様がまとめられたものである。 さすがニューヨークで「英語で喧嘩ができる男」として 名を売って来た神原氏らしく、 すべてタイトルは英文で、 内容はコミュニケーションとそのギャップに関することである。
氏は国際社会発展のカギはコミュニケーションに あると確信しておられたが、 その信念があふれている本だ。 ひとつの確信の元に生きることが いかにその人の生き方を輝かせるかという見本だろう。 『国際交流新世紀~コミュニケーションギャップ』 神原昭夫著、交通新聞社刊。 英語の達人のエッセイとしてとにかく読ませる。 2008年9月 1日 少年の旅は続く
中学時代の同級生の出版のために、久々にイラストを描いた。 友のために描くイラストもまた楽し、である。 どのような友のどのような本なのかは、 本に推薦文を書かせていただいたのでそれを引用する。 文芸社から出ているので、折りが合ったら手を触れていただきたい。 旧友よ、さらによき人生を、である。
推薦文 私の京都学芸大学(現京都教育大学) 付属中学時代の同級生である。 彼が人生一巡のたな卸しとこれからの新たな出発を期して、 一冊の本を書いた。それが 本書『蝶にあそぶ 地球学校から学んだこと』である。
大変なグローバリストだということだ。 蝶の美しさに目覚めたのが12歳の時だという。 中学時代に生物担当の先生の 蝶コレクションに魅入られて以来、その美しさのとりこになった。
通常、海外旅行が好きな人でも、 多くて30カ国ぐらいではないだろうか。 それを110カ国も旅をしてきたのは、 やはり蝶の魅力がエンジンということだろう。
ついに世界へ飛び出してしまったのである。 人を動かすものは、つくづく「好きの力」であることを思い知らされる。
そこには蝶との出会いを軸に、 人間同士の得がたい一期一会の出会いが綴られている。 小野山君にとっては、蝶も人間も同じ地球上の生き物、 そこに出会い方の差は無いのかもしれない。 青春時代にしかできない蝶を追っての地球放浪、 それはついに地球環境問題へと至る。 蝶と人間を見続けてきた結果、 その裏に寝ている巨大な問題に気づいたと言ってもいい。 それが今世界的な課題になっている地球環境問題だ。 地球環境問題の核とも言えるエコロジーは、 すでに世代や国を超えて、 グローバルソリューションの最大のテーマになった。 この問題に、蝶という稀有の美しさを持つ生き物から到達しえたことは、 小野山君の能力であるとともに、ひとつの導きとさえ言えるだろう。 もちろん全部見られたのではないだろうが、 一つのテーマを追求し続けると、おのずからより上位の概念に到達する。 これは学問から芸道、生き方から自己成長に至るまで、 共通して起こることである。 読者に何らかの感慨ももたらすだろう。 今回、イラストも描かせていただくことになった。 小野山君のこれからの人生に、 中学時代の同級生として心からのエールを送りたい。 少年の旅はまだまだ続くのだから。
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