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2008年10月 1日 タイフーン・ウォッチング
銀座に上陸した台風を見に行った。 H&Mのオープンである。 メディア戦略が功を奏して3,4時間待ち、 最長5000人の行列ができたという。 1週間で来店客は5万人を突破した模様だ。 ウィメンズ・ウエア・デイリー・ジャパン(9/22号)によれば、 メディア向け展示会を5月に開催、 32歳の女性社長を紹介。 銀座店開店直前に銀座に加えて 渋谷、六本木、原宿に巨大なビルボードを登場させた。 開店4日前にテレビメディアの取材を解禁し、一気に知名度アップ。 「おしゃれなのに安い」「日本ファッション界に衝撃」などの 煽るコメントがメディアに載った。
メディア社会を一点突破、周囲を巨大な渦で巻き込みながら、 膨張し、移動し、ピークを迎え、そして消えていく。 「ニュース・タイフーン」は、最も情報社会的な出来事だと言えよう。 情報は集中と注目を加速し、集中はさらに注目を生み出し、 一気に縦型のS字曲線を描きながら、 ダントツのピークへと向かう。 メディアは先を競って取材し、発表し、 再取材し、再発表し、その頻度と速度を高めていく。 話題がなければニュースにならない、 ニュースにならなければ話題にならない。 情報は臨界点を突破すると、それ自体が動き出し、 もはや誰も止めることはできない。 しかしニュース・タイフーン力が強いほど、 山は高いが消えていくのもまた早いと言うことを 知っておく必要があるだろう。
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