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2009年3月17日 絵本---色彩のチカラ
自由が丘のABC(青山ブックセンター)で、すてきな本に出会った。 『フリッチス ふしぎな色の旅』(ジラルド作・絵)という絵本である。 ブラジルのロングセラー絵本で、 40年間で140万部を超える売れ行きだという。
何しろ驚かされるのは、その色彩のインパクトである。 色が持つコミュニケーションパワーは こんなにも力があるものかということだ。 絵本は基本的に色彩が語りかけるものである。 作者の子どもの感性を信じきった色彩の造形学は、 技巧的なテクニックを一蹴する力を持っている。
物語そのものは、自分の居場所がないと感じていたフリッチスが、 さまざまな色と出会った後、 実は最後に自分は月だった ということを知るストーリーだが、これも大変説得力がある。
このような絵本を世に送り出したいと思っている。 その抽象・具象の境目を問わない色彩のパワーを、 ぜひ本屋さんで確認して欲しい。
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