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2009年4月 7日 「一枚の布」の哲学
伊藤忠ファッションシステムの川島蓉子氏が 『イッセイミヤケのルール』(日本経済新聞出版社) という本をお書きになった。 「デザインビジネスとは何か」ということである。
どのような美も、ビジネスの原則に乗らなければ成り立たない。 同社には太田伸之氏(代表取締役社長)という 優れたマネージャーがいるが、 三宅一生氏の類まれな感性をビジネスとして 生かしきる手腕に長じているに違いない。
ファッションであっても、基点は常に小売である。 顧客接点としての小売現場において、 顧客から支持されない限り、世の中に成立する商品はない。
イッセイミヤケのファッションは、 常に日常の感性に視点を置いているようだ。 言ってみれば「用の美」である。 日常と遊離しないところに、本物の美はある。 どこまでも信じる哲学と原理原則を貫いているところに、 三宅一生氏の「一枚の布」哲学の凄みを感じる。 |