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谷口正和 プロフィール

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2009年4月16日

聖地巡礼

 

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アーティストは生涯をかけて自分の作品を作る。

その意味では、アーティストは旅人であり、

さらに言えば永遠の巡礼だろう。

 

野町和嘉氏は、その意味で聖地を旅し続けてきた巡礼だといえる。

野町氏の写真展『聖地巡礼』が、

東京都写真美術館で5月17日まで開催されている。

 

35年に及んだ取材地は、ナイル川流域からエチオピア、チベット、

南米のアンデスまでに及ぶという。

まさに地球規模の聖地巡礼である。

大きく巡礼の風景をとらえた作品から、

人の心を覗き込むような小さな作品まで、

確かに巡礼する人間の心がとらえられている。

 

 

英語における「旅」には以下の用法があって、最後に来るものはやはり巡礼である。


TOUR     観光や視察のため、諸所を歴訪して出発地へ帰って来る旅。

TRIP     距離の長短にかかわらず、必ず帰ってくる旅。英国では特に短   
       い旅を指す。
JOURNEY    割に長い旅。その全部または大部分が陸地。
                     もとへ帰る意味は必ずしもない。
TRAVEL    一番広い意味の旅。多くは遠地や外国へ。

VOYAGE    遠距離の船旅あるいは空の旅。商用、観光いずれにも使う。

EXPEDITION  組織化された観光旅行。特定の目的(探検、学術、研究、
                      戦争など)を持つ旅。遠征、調査旅行。
PILGRIM    信仰が目的で聖地などを訪れる旅。巡礼。

 

人間の最後の旅はやはり「巡礼」だろう。

そのような時代にますます入ってきた。

時代が野町氏にようやく追いついてきたとも言える。

 

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