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2009年5月26日 パロディ×リパロディ
ビートたけし氏と所ジョージ氏が、なんとも痛快な本を出した。 『FAMOSO』という雑誌で、ファモーソと読む。 スペイン語で「有名な」という意味らしい。 コンテンツは、明らかにあの写真週刊誌「フォーカス」のパロディである。 全編,事実は一切ない。 広告までパロディ化してある。 しかしここではたと考えさせられるのは、 事実とはなんだろうか、ということである。 今我々が事実だと思っているものは、 すべてメディアを通して届けられたものである。 すべて「メディアの編集」が入っているのだ。 その「メディアの編集」にもう一枚編集のフィルターを かけたのが、このパロディというものだろう。 表の裏の裏は表、またその裏も表。 虚実皮膜、事実は常にアンビバレンツ。 ニュースのリニュース化、フィクションのリフィクション化。 たけしのリたけし化、所のリ所化。 一見バカバカしいようで、情報の時代の鋭いところをついている。
金も使ってみようじゃないかというジャーナリズム精神もまたすごい。 大変共感し、また満足もした。 要は「オモシロイ」のである。 オモシロイということは、 必ず何重もの情報のフィルターがかけられていることだとあらためて思った。
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