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谷口正和 プロフィール

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2009年8月25日

小さな小さな絵本図書館。

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私の会社には「絵本のチカラ」というプロジェクトがあって

様々な活動をしているが、

8月27日から30日まで、「小さな小さな絵本図書館」というイベントを

つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前の

柏の葉アーバンデザインセンターで行う。

絵本作家が来場しての読み聞かせ&トークショーや、

紙芝居などを開催する。

テーマは「じめんのうえのわたし」だが、

これはアーマE.ウェーバーのベストセラー絵本

『じめんのうえとじめんのした』をヒントにしたものだ。

詳しくは当社のウェブサイト「絵本のチカラ」を見ていただきたい。

詳しい内容が載っている(スタッフは南アヤコと中川リエです)。

 


昔から人間が使っていたコミュニケーション手段として、

大きくは言葉、文字、絵があったろう。

日本には絵巻物の伝統があり、

これは文字と絵によるコミュニケーションそのものであり、

それを読み聞かせる言葉が機能した。

まさに三位一体のコミュニケーションだ。

絵本は世界中にある優れたアートだが、

特に日本では絵巻物や紙芝居のDNAが潜在的にあり、

絵本が重要なメディアとして注目されている十分な根拠がある。

「絵本のチカラ」プロジェクトのこれからにご注目いただきたい。

 


 

2009年8月24日

地場は磁場。

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喜多俊之氏は工業デザイナーである。

さまざまな画期的プロダクトデザインを世におくると共に、

長年、日本各地の伝統工芸、地場産業を

活性化する仕事をライフワークとして続けておられる。

このたびその成果を、一冊の本にまとめられた。

『地場産業+デザイン』(学芸出版社)である。

喜多氏の40年にわたる職人とのコラボレーションが綴られている。

 


地場は磁場である。

文化の時代は、求心力の時代だ。

外へと拡散するのが文明なら、一点に向かって求心していくのが文化だ。

根源は何か、何がその道具ややり方を決めているのか。

それはたぶん、地場そのものの中に内在しているDNAだろう。

地場とは独自のDNAことなのだ。

 

日本の多様な磁場に今後とも目を向けていただきたい。

喜多氏のご活躍を祈る。


 

2009年8月20日

未来の食卓。

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「未来の食卓」という映画を見た。

フランス映画である。

パンフレットには「全ての学校給食を自然の味(オーガニック)にしようと、

南フランスの小さな村が立ち上がった」とある。

この小さな村、バルジャック村の1年間を追ったドキュメンタリーである。

この村の村長さんは、「学校給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする」

という前例のない試みに挑戦した。

一部反対者は出たものの、

この試みによって、小さな村に変化が起きていくさまを描く。

食を介してこれからの地球のあり方を問うメッセージ映画と言えるだろう。

 


日本は自然食志向と食料自給率問題が同時に来た。

いわば、食への意識が、ソフトとハード、物心同時に来たのである。

食料自給率が120%を超えるフランスとは次元が違うとも言えるが、

食のソフトとハードの双方を一挙に解決できたら、

日本人の知恵は世界もモデルになるだろう。

日本人にとっての「未来の食卓」とは何か、だ。

 

2009年8月19日

ART TRIANGLE

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六本木が日本には珍しく、アートをコンセプトに街づくりを行っている。

「六本木アート・トライアングル」だ。

国立新美術館、サントリー美術館、森美術館が連携して、

六本木にアートの三角ゾーンを形成している。

 

シティツーリズムの時代だ。

都市は新たな観光の対象となり、そのテーマが問われている。

「アートを見に六本木」へ、というシティツーリズムが起きている。

周辺にはアート好きな人々が集うカフェやレストランも出始めてきた。

 

点から線へ、線から面へ。

三角形は最小単位の面であり、

その意味でアート・トライアングルは都市づくりの新しい着眼点だろう。

 

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2009年8月14日

自由が丘の朝に。

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私は自由が丘から電車に乗っているが、朝見かけた風景を二つ。

 

一つ目は駅前の掲示板だ。

いろいろなサークルやサービスが告知されているが、

最近その数が増えてきている。

みんな「ご町内ニュース」といった感じで、

近代化へのアンチテーゼが進んでいることが感じられる。

 

もうひとつは朝顔だ。

駅のそばの住宅の垣根に、ぽつんとひとつ咲いていた。

自然はいかに和むことか。

近代化に覆われてしまった都市に、朝顔ひとつで自然を融合させている。

 

自由が丘の朝に感じたことである。

 

2009年8月13日

GERONTOLOGY

 

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「老人学」である。

欧米では、高齢者が抱える諸問題と社会に与える影響、変化などを、

かなり前から学問として研究して来た。

日本にもようやくジェロントロジー研究の機運が高まってきた。

東京大学が主導して、

30社ほどの企業が参画している「ジェロントロジー・コンソーシアム」が進行している。

当社も参加させていただいている。

2030年ジェロントロジー社会へのロードマップを作り上げていく作業だ。

抱えている問題の幅も深さも、研究すればするほど分かってくるが、

要はどのような精神社会が2030年に到来しているかだろう。

見えざるものが見えるものを支配していく精神の時代、

心のありようが見えなければ物のありようも見えない。

面白いコンソーシアムに参加させていただいて感謝している。

2009年8月11日

未来への睨み。

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時代の転換期は、次がどうなるか、確定的に読むのは難しい。

しかし誰かが言わねばならない。「こうなる」と。

そういう意味では、大前研一氏は、

常に恐れずに未来を断言するデルファイ型のマーケッターだ。

大前氏より『大前研一の頭脳』という本をお贈りいただいた。

 

私は常々、「過去は客観、未来は主観」と言っている。

過去はもうすでに起こってしまった事実の山だから、誰にでも客観的に存在する。

しかし未来はまだ来ていないから、主観的に判断するしかない。

その真ん中に現在があるのだが、

これはドラッカーのいう「すでに起こった未来」として理解できる。

未来判断の目は、現在の中に潜んでいるのだ。

 

私が主宰する「ネクシンク」も、まさにこの視点で作られている。

ネクシンクのウェブページがフルリニューアルしたので、一度覗いていただきたい。

23年前の創刊号も見ていただける。

2009年8月10日

花火と祈り。

 


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長岡の「長岡大花火」に、長岡商工会議所にご招待されて行ってきた。

8月2日、3日の両日で70万人近くの人を集めたという。

その壮大なこと、まさに天の花である。

 

テーマは「祈り」。

「祈る」とは、本来は祈願の言葉を声を出して神に唱えることを指す。

そうであれば、天空に咲く花火も、両岸から起こる歓声も、

まさに「祈り」と言えるだろう。

 

21世紀はオバマ大統領の出現を契機に、

平和の世紀へと入りつつある。

世界中の人が「祈る」時代なのだ。

声を出して平和を唱えよう。

 

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2009年8月 6日

誕生。

 


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誕生という言葉くらい、歓喜に満ちた言葉もあるまい。

この世になかったものがあるとき出現する。

それが生命や歴史を未来へとつなげて行く。

歴史は誕生の連続によって成り立っている。

アートひとつとっても、今までになかった表現を誰かが創出し、

そこに新しいパラダイムが誕生し、

いずれまた誰かが次の表現を創出し・・・

そのらせん状の繰り返しである。

生物も社会もまた、このようにして進化してきたのだろう。

それが進化であるか変化であるかは別の論議になるが。

 


先月の29日に、私は67歳の誕生日を迎えた。

会社の仲間が、これを祝って誕生ランチパーティを開いてくれた。

私の会社は誕生日を大切にしていて、

毎月誰かの誕生祝をしている。

 

当社自身も来年で30周年だ。

GENERATIONを辞書で引くと、「一世代」「30年」とある。

当社もようやくワンジェネレーションである。

新たな誕生日としたい。

 

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2009年8月 5日

ユーモアの世界。

 


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私の尊敬するデザイナーの1人、福田毅さんが、

『ユーモアポスターの世界』という個展を開催している。

(新潟県立近代美術館/8月7日~8月20日)。

ほのぼのとしたウィットに富んだ作風は、

見る人の心に安らぎを与える。

「笑いがあるとそこに争いごとはない」と考える福田氏の哲学が垣間見える。

 

福田氏は株式会社カメレオン代表、長岡造形大教授。

カンヌ国際広告映画祭優秀作品賞ほか、多数の賞を受賞している。

 

笑いは肯定の最大のコミュニケーションだ。

日本の芸能の始まりは、笑いだったといわれている。

中国からやってきた芸能者が、

滑稽な言葉と動きで観衆を笑わせたのが始まりだった。

その意味で、笑いは人間のコミュニケーションの原点にあるものだろう。

福田氏のご活躍をお祈りする。

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2009年8月 4日

豊の国商人塾。

 

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大分県は平松知事が始めた一村一品運動で知られるが、

もうひとつ、注目すべき活動がある。

それは緒方知行氏が塾頭を務める「豊の国商人塾」だ。

その開塾宣言文の中から、基本となる考え方を抜粋させていただく。


「いま訪れている厳しい不況や消費デフレといわれる現象は、

旧い"天動説"原理の産業やビジネスの体制が、

新しい買手市場時代の状況に適合できず

機能閉塞をおこしているからに他ならない。

その意味では、不況克服の方途は

"地動説"原理の産業・ビジネス体制への

構造変革以外にあり得ないと考えるものである。

それは、生活者の視点に立脚した新しい需要の創造、

市場の開発、顧客の発掘によって

国民経済の活力化および地域社会の発展を

志向するということである」とある。

 

緒方氏の熱い声が聞こえてくるようである。

顧客中心主義、地方からの活性。

これからの日本になくてはならないエンジンの両輪だろう。

緒方氏と商人塾にエールを送りたい。

写真の酒は、緒方氏からお送りいただいたものである。

私の名前入りである。感謝。  

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2009年8月 3日

WILL BE.

 


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プロデューサーの残間理江子さんが、

この1月から新しいネットワークムーブメントを立ち上げている。

名称は「club willbe クラブ・ウィルビー」だ。

提案しているのは「新しい大人文化の創造」。

残間氏自身が団塊の世代としてシニアライフを迎え、

成熟した社会を実感しているようだ。

学ぶ、美しく元気に、旅する、集う、食する、遊ぶの6つのテーマで、

セミナーやパーティ、フォーラムなどを開き、

大人の心を刺激し、社会に活力を与えることのようだ。

私自身もメンバーに参加させていただいており、今後の展望が楽しみだ。

 

人はWILL BE、未来に向かって意志を持って何かを目指し、

何かになろうと思っている。

それは年をとっても変わらないどころか、

これからますます輝く時代だ。

お互いにWILL BE人生を送ろう。

 

 

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