|
2009年9月28日 見識の時代。
一橋大学国際企業戦略研究科教授の石倉洋子氏から、 最新の御著書を送りいただいた。 『戦略シフト』(東洋経済)である。 日本企業には、今2つのキーコンセプトが必要であると説く。 それは「オープン化」と「ORからANDへ」であるという。 今時代には革命的な変化が起きていると言い、 オープン化とは、自社内のみで行う方法から、 周囲の組織との協同、あるいは一般消費者を巻き込んだイノベーション のことであるという。 ORからANDへとは、従来OR発想で考えられてきた事柄をANDで結べということである。 グローバル化かローカル化ではなく、 両者を新しい組み合わせで結ぶ(AND)ということだ。
いつもながらその高い見識には教わることが多い。 変化多発の時代には、その変化群がどのような意味を持っているのかを 高い見識から見ることが重要なのだ。 2009年9月18日 THE ARTIST.
デザイナーの平野敬子さんより、ご著書をいただいた。 『White BookText』という本である。 その名の通り、真っ白な本で、表紙にはレリーフでメッセージが書かれている。 平野さんのクリエイティブキャリアが綴られていて、中も文字以外は真っ白だ。 彼女の真っ白なキャンバスに、 彼女のクリエイティブがレリーフのように浮かんでいるのだろう。 まさにTHE ARTIST、 物を創造することへの覚悟と潔さがひしひしと感じられる。
上の写真はAERA3月2日号の表紙を飾った平野敬子さん、 下の写真はホワイトブック。 写真ではその純白さを伝えきれない。
2009年9月15日 BUY FRESH BUY LOCAL
西海岸のワインの産地、ナパバレーへ行ってきた。 まさにワインカントリーといえる豊穣の土地だが、 そこでは無料でナパバレーとその周辺のガイドブックが配布されていた。 BUY FRESH BUY LOCALとあるが、 「新鮮な地元のものを買おう」というような意味である。 つまりは地産地消だ。 アメリカではこのような地元のものを食べる地元産品愛好者を 「ロカボア」という。 世界はロカボアの時代に向かうだろう。
もうひとつ、ナパバレ-周辺を見て感じたのは、 それがコンパクトシティとして成立しているということである。 一定の土地の中に、生活のためのほとんどの機能が完備しており、 ナパバレーがビジネスリタイア後の憧れの土地だということが理解できる。 自然と共に豊かに暮らす老後である。 高齢社会のひとつのモデルだろう。
2009年9月10日 ミュージアムの時代へ。
当社が10年ほど毎年主催しているツアーだ。 今年はアメリカのポートランド、ナパ、サンフランシスコの 文化とライフスタイルを訪ねる「ファーム&シティ」ツーリズムである。 何回かに分けてリポートさせていただくが、 最初はサンフランシスコの近代美術館「SFMOMA」から。 都市のエンタテイメント・プログラムの双璧は ミュージアムとシアターだと言っていいが、こ れからはミュージアムがさらにリードするようになるだろう。
文化経済の時代に伸びてくる価値観は「美意識」であり、 アートが都市のコンセプトとなって、世界のツーリストを集客するようになる。 旅人こそ都市の収入源であり、 人々を集めるコア・コンセプトはアートだ。 「SFMOMA」はニューヨークのMOMAの支店のようなもので、 有名美術館、そのブランド力で地球中にネットワークが作れる。 美意識市場に国境はない。
2009年9月 7日 「薫習」の時代。
仏教用語で「物に薫りが移り沁みこむように、 あるものが他のものにその性を移すこと」だという。 深い意味はもっとあるのだろうが、 この解釈が一番分かりやすかったので、これに従う。
『薫習』という御著書を京都大覚寺の覚勝院住職の坂口博翁から、 京都で行われたセミナーの折にいただいた。 保育という子どもを育てる仕事に情熱を注いでいられるようだ。
高度情報化社会の波に乗って、 あらゆる情報が一瞬にして他のものに沁み込む。 よい情報も悪い情報も、その垣根なく一瞬にして世界に薫習する。 薫りのように、目に見えないものが人の心を支配する時代である。 よい薫習で世界を覆いたいものだ。
2009年9月 4日 ベテランの樹。
わたしもメンバー加えさせていただいている。
代表取締役社長の西岡郁夫さんだ。 ベンチャー企業の育成が主旨であって、 多様なキャリアを持つそうそうたるメンバーの方々が、 創立2~3年を迎えて佳境、苦境を織り交ぜて背負っている 起業家にアドバイスする会だ。
人間の胸の高さで直径2フィート以上の樹を指すという。 鬱蒼たる森には、ベテランの樹がいくつもあって、 これから育つ若い樹の傘になり、生命力を吹きこんでいるのだ。
2009年9月 2日 流政之の世界。
"Samurai Artist"の異名をもつ。 日本よりも海外のほうが盛名が高いかもしれない。 わたしも子どもの頃、父の関係でお目にかかったことがある。 モダンアートに関しては、日本で認められるよりも、 海外で先にその才能を認められるケースのほうが多いように思う。 日本は伝統的な価値観を判定する力は十分にあるが、 新しい地平を切り開く、まだ安定的な評価を得ていない斬新な才能に対しては、 案外及び腰なのかもしれない。 モダンアートマーケットが世界規模であることにも関係していよう。 いずれにせよ、流氏が作り出す石の彫刻は、 それがまるで何万年前からそこにあったかのような存在感を感じさせる。 モダンとは本来そのようなものかもしれない。 流氏の活動を支援するNAGARE FOUNDATIONと いうものがあり、私も参加させていただく。 優れたアーティストは、支援なくして成立し得ない。 パトロンという概念が、もっと市民レベルで認識されてもいいだろう。
Wikipediaより、そのプロフィールを紹介させていただく。
その後中退し、海軍予備学生出身の零戦搭乗員として終戦を迎える。 その後、世界各地を放浪、独学で彫刻を学び現在に至る。 1975年には、ニューヨーク世界貿易センターのシンボルとして 約250トンの巨大彫刻『雲の砦』をつくり国際的評価を得る。 また、作品『受』はニューヨーク近代美術館の永久保存作品 (パーマネントコレクション)として収蔵されており、 彼の国際的評価の高さを裏付けている。 1967年には、TIMEが選ぶ日本を代表する文化人の一人に選ばれた。 彫刻家として活躍するかたわら、庭園の作品も残す。 代表作に東京天理教館庭園、皆生温泉東光園庭園などがある。
|