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2009年10月 9日 知の体系者。
知は体系化されて、はじめて本当の知となる。 体系化されないものは雑学であって、浮遊して消えていくものだ。
多摩大学教授の星野克美氏が『地球環境文明論』(ダイヤモンド社)という まさに「星野克美、知の体系論」とでも言うべき本を上梓された。 総ページ数497頁、ずしりと重い知の一冊である。 帯に「我々の文明そのものが危機の元凶か」とある。 これは近年の人類に共通する思いだろう。 地球全体を一個の生命ととらえるガイア論以来、 人類と地球はその因果関係を厳しく問われるようになった。 地球は永遠に存在し、我々人類はその上で発展し続けられるだろうという一方的な楽観論は、 いまやみごとに吹き飛んでいる。 もはや地球史的文明論、世界史的文化論で見なければ問題の本質は見えない。 星野氏はそこに1人切り込んでいく、知の体系者だ。 |