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2009年10月20日 凛としたGERONTOLOGY。
GERONTOLOGYというキーワードが、徐々にではあるが浸透しつつある。 「老人学」という意味である。 高齢社会は、まさにジェロントロジー社会だ。 榊原節子氏から『凛としたシニア』(PHP)という本をお送りいただいた。 サブタイトルに『「ああいい人生だった」と思えるように』とある。
高齢社会は死生学の社会だ。 生はコインの裏表として、死と一体である。 生きるとは生死を合わせてを生きることなのだ。 「ああいい人生だった」とは、いかに自分らしい最期を迎えるか」と一体である。 これは肉体的な問題を超えて、 精神の領域に入らなければ到達できないことだろう。 私も現在あるコンソーシアムに参加してジェロントロジーを研究しているが、 物理的なデータや介護論だけでは解決し得ない問題が、 実はジェロントロジー研究の膨大な量を占めていることがわかった。 物から心へとは、ジェロントロジー研究においても また真ん中にある視座である。
「凛」とは本来、「身が引き締まるように寒さが厳しい」という意味だという。 「凛としたシニア」になるためには、まず考え方の余剰をそぎ落とし、 余計なものを脱ぎ捨てて、心の原点に戻る必要があるだろう。 親鸞であれキリストであれ、 凛とした一個の人間として他者に呼びかけたのだから。
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