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2010年3月 1日 発想と発酵。
デザイナーの杉本貴志氏の出版記念パーティにお招きいただいた。 その本がこの『杉本貴志のデザイン~発想/発酵』(TOTO出版)である。 杉本氏の発想を発酵させる、いわばビジュアルコンセプトブックであり、 発想というものが、いかに多様な刺激によって生まれてくるか、よく分かる。 発想は泉のごとく涌き出る。必要に迫られて涌き出るのではなく、 溢れて溢れて止めどがないのだ。 発想は常に出口を探している、個人文化の涌水なのだ。
閃きとかアイデアというものは、外から飛んでくるのではなく、 自己の内部に蓄積された多様な要素が、 ある意外な組み合わせによって結びついたときに生まれてくるのだという。 その意味で発想はまさに内部発酵の産物であり、 いかに学んで自己化することが重要かということだ。 学習に定番はない。すべての学習は自己学習であり、 その意味で独学だということができる。 本書も杉本氏の独学の一環だということができよう。 そこから涌き出てきた泉である。 |