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2010年3月30日 すでに起こった未来。
立命館大学大学院経営管理研究科で私の教え子だった岸本秀一君が、 金沢星稜大学経済学部講師として、著作に参加した。 『顧客の創造と流通~ドラッカー経営学の視点から』(高管出版) という経営書の中で執筆している。
ドラッカーと言えば、まさに経営学の巨人である。 その姿勢の根本にあるのは、顧客主義を貫いたことだろう。 特に「顧客創造」という視点では、 世界のビジネスマンに大いなる示唆を与えた。 ドラッカーは自らを社会生態学者だと言った。 マーケットという生態系の変化を一望し、 その変化の重要な部分を予見的に指摘したのである。 彼はそれを「すでに起こった未来」と言った。 すでに未来への種子とその芽は、現在の中に潜んでいるのである。 その発見こそマーケッターの最大の役割だろう。
私もネクシンクという1週間情報紙を23年間分析し続けているが、 これも「すでに起こった未来」メディアといえるだろう。 過去の蓄積をいくらデータ化をしても、それだけでは未来は見えない。 そこに未来への種子と芽を直感することが求められるのである。 そういう意味で、客観よりも主観が問われる時代である。
岸本秀一君、明日へのドラッカーたれ。 |