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2010年4月 6日 森は誰のものか。
日本の森林率は約7割。 先進国の中では、世界でも有数の森林大国と言えるだろう。 「文明の前に森があり、文明の後に廃墟がある」という言葉がある。 文明の振興は森を駆逐していくことと同意義だった。 しかし時代は「文化」である。文化の視点で森を見直したとき、 森はその土地、その文化の生態系の 重要な一環として組み込まれているのである。 本書『奪われる日本の森~外資が水資源を狙っている』(新潮社)の著者、 平野秀樹氏は、氏が林野庁にいられたころからの長いお付き合いである。 氏は本書で、意外な告発をしている。 それは外資が森を投資対象として買い、 しかも水資源にも触手を伸ばしているのだ。。 日本の自然生態系の要が、 いまやグローバル投資の対象となろうとしていると指摘している。 単なる自然以上の価値が日本の森にはあるのだろう。
森は誰のものか。 まずそこで暮らし、生きている人々のものだろう。 それは私たちの生命の根源に関わっている。 そのことに気づかない我々自身に、強く警告してくる本である。 拝聴したい。 |