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2011年5月24日 カルチャー・リテイラー。
中川政七商店は享保元年(1716)に創業した老舗である。 手紡ぎ手織りの麻織物を扱っている。 その十三代目、中川淳氏が2冊の本を送ってくれた。 『ブランドのはじめかた』、『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』 (いずれも日経BP社)である。
老舗といわれる店は、単に伝統を墨守してきたわけではない。 「若きプラントハンター」でご紹介した西畠清順氏などに見られるように、 若い後継者が革新的な行動を起こすのである。 中川淳氏も同様、伝統の上に革新を起こそうとしている。 奈良や京都が持っている長い歴史と伝統は、 絶えず革新によって支えられてきたと言えるだろう。 そのコアにあるのは、商業を文化としてみる発想だろう。 本当の意味のベンチャースピリットに支えられた、 「カルチャー・リテイラー」なのだ。 |