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2011年6月 1日 昭和に学ぶ。
今あらゆるところで、「昭和学習」が始まっている。 昭和は64年間の永きにわたっており、 そこには国力を過信するあまり無残な敗戦に至る戦争体験、 あるいは明治以降のたゆまぬ研究・努力が 開花した日本独自の工業力発展など、 学ぶべき教訓が多く眠っている。 またあまりにも合理化、個人化された現代社会への反発から、 昭和という時代に本当の生活の匂い、 家族のあるべき姿を学ぶ人も多い。
前回に引き続いて、鉄道の本を紹介する。 『昭和の鉄道~近代鉄道への基盤づくり』(交通新聞社)という本である。 著者の須田寛氏はJR東海の初代社長を務められ、 長く日本の鉄道経営の中枢におられた方である。 前回の田中宏昌氏と同じく、生涯を鉄道に捧げている。 昭和という時代を引っ張り、 今も日本の移動社会を引っ張る鉄道への愛情が行間から滲み出している。 昭和という時代を鉄道経営を通して学ぶ本である。 |