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2011年9月 5日 平泉訪問。
私はJDCA(日本デザインコンサルタント協会)の 観光担当理事を務めていることもあって、 最近東北観光の振興をテーマに、東北を訪れる機会があった。 大槌町などの被災地とともに、 東北文化千年の都、平泉を訪れた。 平泉はご存じの通り、奥州藤原三代百年が築き上げた東北の都であり、 平安京に次ぐ大都市であった。 観光とは時代にふさわしい位置づけを発見することだが、 それにはまず研究が大切である。 現地を見、歴史を知り、そこから発見は始まる。 辺境にあってなおも栄華を誇った平泉文化の核となるものは何か。 それは新たな極楽の誕生であろう。 今の時代にも要求される全体の構想力である。 藤原三代が誇ったのは、何も黄金を中心とした財力だけではなく、 その極楽浄土を願う仏教的想像力にあったろう。 まさに平泉全体が想像力に裏打ちされた構想力に満ちており、 平泉を全体像としてデザインしている。 観光とは、提供者サイドからの一方的な文化や遺産の公開だけではない。 それには訪れた人の感受性を刺激することが何よりも大切である。 イマジネーションの喚起こそ、最大の観光資源なのだ。 平泉からそれを強く感じた。 |