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谷口正和 プロフィール

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2012年3月28日

セルフ・モチベーション。

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いよいよ本格的な自己啓発の時代が来た。

自分を育てるのも鍛えるのも自分である。

なんだかセルフメディケーションに似ている。

自己責任という言葉が一時盛んに流布したが、

やはりこの流れは進んでいるのだろう。

重要なことは外からの情報を活用することである。

どのような自己も、外の力を借りずに変化することはできない。

情報の鉄則のひとつだ。

『1日3分で人生が変わる~セルフ・モチベーション』(PHPビジネス新書)

という本をリンクアンドモチベーション代表の小笹芳央氏が上梓された。

さすが人材育成のプロ、つぼを十分に心得ている。

ポイントはどれも短い時間でできるところにあり、

要は“使える本”なのだ。

さあ、自己トレーニングにいそしもう。

2012年3月26日

大学は人を育てる場。

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私が教鞭をとる立命館大学大学院経営管理研究科を卒業し、

現在、大阪電気通信大学総合情報学部教授である小森一平氏が

『大学発のキャリアマーケティング~

学生ひとり一人へのキャリア支援の面倒見の良さを誇りとしたい』(静岡出版)を上梓した。

まさにこれからは「人材」の時代。人を育てるのが大学の最大の役割と言ってもいい。

小森氏はそこにフォーカスを当て、一冊の本を書かれた。

氏の教育哲学と情熱が伝わってくる本である。

教え子が教える。まさに「知の循環」である。

ご一読をお勧めしたい。

2012年3月26日

面白いことしよう。

 

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面白いことしよう!

 

日々の忙しさに感けて、日々をただ漠然と過ごしていないだろうか。面白いことを継続してやり続ける力こそ、21世紀型の人材と呼べるのではないでしょうか。

 

1日24時間、時間は皆に等しくあります。今の仕事をこなしていくことに、楽しみ、喜び、面白みはありますか。生涯を楽しく過ごしていくため、これと決めたものに対して、自ら問題意識と好奇心をむき出しにして、あなたの体内にあるエネルギーエンジンをフル稼働させて、時間を費やし、没頭していきましょう。

 

日々の気付きが積み重なり、蓄積されていくことによって、やがて突出した業が身につき、専門家と呼ばれるほどの知識・知恵・技能が体得できるはず。

 

エンジョイマイライフ、面白いことを突き詰めていこう。

2012年3月22日

幸福のパラダイム。

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私も理事を務めるJDCA (日本デザインコンサルタント協会) の

御手洗照子理事のお嬢さん、

御手洗瑞子氏が書かれた本『ブータン、これでいいのだ』(新潮社)

をお送りいただいた。

瑞子(たまこ)氏は東大を出てマッキンゼーで働いていらっしゃった才媛で、

ブータン政府のGNHコミッションに

初代首相フェローとして働いた経験を持つ。

この『ブータン、これでいいのだ』は、

ブータンで公務員で働いていた時の思い出をまとめたものである。


GNHとはご存じの通り「国民総幸福量」のことで、

国民の幸福度が国家経営の目安であるということである。

 

ひとつのパラダイムの中に埋没すると、

他にパラダイムがあることすら気づかないという。

GNPを追いかけ続けて今日の混乱に至ったのが日本だが、

日本もそろそろ他にパラダイムがあることに気づく時だ。

 

その意味からも推薦者の糸井重里氏の

「意外と重要な本なのではないかと思う」

という指摘には共感する。

2012年3月21日

送る。贈る。

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今年も私が教授を務める立命館大学大学院経営管理研究科の卒業式が来た。

みなすでに社会で働いている人であり、

自らの自己成長を願って入学してきた人ばかりである。

その意味では通常の大学より、みな学習意欲に燃えている。

教える立場の私としては

「社会に出て希望と命の一輪の花となれ」と贈る言葉とした。

同じ学びの場から巣立つことを「一生の絆」として欲しい。

2012年3月19日

「選ばれる理由」。

 

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啓蟄も過ぎ去り、三寒四温が続くいまは、卒業シーズンです。

新たな門出を前にしてなお、就職難といわれる時代。学生が中小企業に目もくれず、大企業を追いかける兆候に、頭をもたげます。

 

知恵、情熱が活かせるところに意識が向いてほしい。

中小企業を専門会社という認識に転換させ、ユーザーの幸福感を追及してほしい。

 

「プロダクツ」から「ハピネス」へ。

 

いま、価値観の変化のときにあります。デザインマーケティングであれば、きっとステキに解決できる。これは業種、業態に限らず、ましてや企業の大小でもありません。

 

すべてに共通していること。

それは生活者視点と認識を共有することで導き出される課題、そこからコンセプトを明らかにして、問題を解決していく。

それを絶えず継続していくことが「選ばれる理由」となります。

 

そのためにも常に学習は欠かさず、肌身をもって体感していきたいものです。

2012年3月15日

「藝術立国」。

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「男子たるものは、一度戦って負けてもやめてはならない。

二度目、三度目の戦いの後でもやめてはならない。

刀折れ矢尽きてもなお、やめてはならない。

骨が砕け、最後の血の一滴まで流して、初めてやめるのだ」

新島襄。

本書の著者、京都造形大学、東北芸術工科大学理事長、徳山詳直氏が、

窮地に陥っていた幻冬舎社長・見城徹氏に贈った言葉である。

まさに男子一個の生涯はこうあるべし、

という生き方に徹してきた徳山氏の自伝である本書は、

現代が失ってしまった魂の炎のようなものを感じさせる。

氏は戦後間もなく京都で革命運動に狂奔して逮捕された折、

母上から奈良本辰也の著書『吉田松陰』を差し入れされ、

生き方に目覚めたそうである。二十歳だった。

以降、芸術と教育が国を救うという信念の元、

前述の2つの大学を立ち上げた。

帯の推薦文に「この分厚い“活劇本”を一気に読了した」

という細川護煕氏の言葉があるが、

近年まれに見る“至誠天に通じる”魂の著として私からもお勧めしたい。

2012年3月12日

復興というクリエイションの喚起。

 

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足元にあるブルーバード財を見失っていませんか。

 

昨今の価値観を改めて見つめ直し、明確にしたコンセプトの下、アイデアを練り、センスが求められる感性市場に見合ったクリエイションを実現していきましょう。

 

そうして成立したクリエイションは、場と時と人が重なり合えば、点から線、そして面へと広がりを見せます。

 

東日本大震災から1年が経過したものの、復興に向けた明確な青写真すらなく、未だに先行きの不透明感が漂う現状から、多くのボランティアが被災地を訪れても情緒的なもののように思えてなりません。情緒から行動へ、これからの最大のキーワードでしょう。

 

17年前の阪神大震災では、結局、5分の1の人が外に出て行ったまま、元にはもどらず、違う地域に根ざしました。若い家族を持つ家庭の約7割の人がフクシマに戻らないといいます。新しい故郷を持つのも一つの行動です。

 

何よりも復興というクリエイションを喚起させるには、現実の未来に対して行動を共にしていくコンセプトというものが、まず求められています。

2012年3月 9日

江戸文化は日本橋から。

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日本橋といえば、徳川家康によって建造された江戸文化の象徴である。

今でも東京50キロと言うような表示が地方の交通網にあるが、

これは日本橋までの距離だそうである。

 

日本橋とその周辺文化の再活性を目的として

「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」

というプロジェクトが進行しているが、

江戸文化活性の一助として「日本橋かるた」というものが作られた。

 

私はかるたは大変優れたメディアだと思っている。

つまり絵札と字札からなる学習装置で、

生活の中の知恵メディアとして、

大変シンボリックな意味合いを昔から果たして来た。

百人一首などは、日本人の美意識を今に伝え当ている。

 

「いつの世も道の起点は日本橋」から始まる

この「日本橋かるた」で大変楽しく江戸文化を再学習することができる。

 

当社も江戸美学研究会と言うサイトを立ち上げて

活発に活動しているので、HPから一度覗いてみていただきたい。

2012年3月 8日

時代の証言者。

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京都の何必館で、フランス人のフォトジャーナリスト、

マルク・リブーの写真展を観てきた。

写真の銃剣に向かう花を持った少女の写真は、

ベトナム戦争の泥沼にもがく世界に衝撃を与えた。

一枚の写真に凝縮された反戦メッセージは、

どんなメディアより強力だ。

写真がカラーになり、CGで強烈な映像を描くようになっても、

モノクロ写真のシンボリック性は少しも衰えない。

テクニックに走りがちの現代の表現者も学ぶべきことだろう。

2012年3月 5日

あれから1年。

 


東日本大震災から、1年が経とうとしています。

これまでに、何か復興に向けた取り組みは進んだのでしょうか。


被災地では、膨大な瓦礫は1割弱しか撤去されておらず、

復興に向けた動きは十分とはいえません。

過去には、希望や展望はありません。希望や展望は、未来の中にあります。

しかし、未来に希望が持てるような流れは果たしてあるのでしょうか。


復興には、情緒論を超えたところで、

現実にしっかり目をむけ、新たな未来に向かっていく必要があります。


今を生きる人は、ふるさとを追われても、

遠くの郷里を胸に秘めながら、今いる場所で懸命に立ちあがっていきます。

われわれも微力ながらも、希望や展望を見い出せるように、

取り組んでいけるようチカラになっていきたいと思います。

 

2012年3月 1日

遊びをせんとや。

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長く親しくさせていただいている麹谷宏氏と自由が丘で出会った。

麹谷氏はグラッフィクデザイナーとして私の先輩であり、

刺激と薫陶を受けてきた方である。

奈良県の出身で、同県出身デザイナーとしては田中一光氏もいる。

 

麹谷氏がプロデュースする「桜とワインの茶会」二月堂をご紹介する。

ワインは奈良時代に奈良の都に伝わってきて、

それが「甲州葡萄」のルーツとする説もある。

正倉院に伝わるガラスのワイングラス「紺瑠璃杯」に

ワインを注いで大仏様に奉納し、

そのワインを二月堂の桜の下で愛でようというのが

「桜とワインの茶会」二月堂の趣旨だ。

 

平安時代の今様歌謡集「梁塵秘抄」に中で

特に有名な「遊びをせんとや生まれけむ。戯れせんとや生まれけん」を思い出す。

私もそろそろ遊びをせんとや生まれけむの雅な境地になってきた。

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