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2012年3月15日 「藝術立国」。
「男子たるものは、一度戦って負けてもやめてはならない。 二度目、三度目の戦いの後でもやめてはならない。 刀折れ矢尽きてもなお、やめてはならない。 骨が砕け、最後の血の一滴まで流して、初めてやめるのだ」 新島襄。 本書の著者、京都造形大学、東北芸術工科大学理事長、徳山詳直氏が、 窮地に陥っていた幻冬舎社長・見城徹氏に贈った言葉である。 まさに男子一個の生涯はこうあるべし、 という生き方に徹してきた徳山氏の自伝である本書は、 現代が失ってしまった魂の炎のようなものを感じさせる。 氏は戦後間もなく京都で革命運動に狂奔して逮捕された折、 母上から奈良本辰也の著書『吉田松陰』を差し入れされ、 生き方に目覚めたそうである。二十歳だった。 以降、芸術と教育が国を救うという信念の元、 前述の2つの大学を立ち上げた。 帯の推薦文に「この分厚い“活劇本”を一気に読了した」 という細川護煕氏の言葉があるが、 近年まれに見る“至誠天に通じる”魂の著として私からもお勧めしたい。 |