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2012年5月23日 ブッダに学ぶ。
世界宗教ともいえる仏教の本質に迫ろうというのが 本書『ブッダの考え方』(中経文庫)である。 著者の一条真也氏は大手冠婚葬祭業の経営者であるが、 今や哲学から宗教に至る思想家、研究者として知られる。 思想や哲学に古い、新しいはない。 要は現代に生きる我々にとって、役に立つものかということである。 その点、今ブッダと仏教が示唆するものの大きさを一条氏は説いている。 世界がますます分断し、対立的構造が深まっていく今、 ブッダが説く「中道」の哲学には驚嘆する。 極端なことはしない。対立に陥らない(たとえば戦争)ためには 互いに歩み寄る「中道」の精神こそ重要だろう。 何千年も前の深い洞察の声が聞こえてくる。 |