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2012年10月30日 都市と求心力と象徴。
東京駅がかつての姿を再現してオープンして以来、 その話題はなかなか収まらない。 それは単なる商業施設ではなく、 東京駅の再現が、ひとつの文化的行為だったからだろう。 人々は、文化には無限の興味を示すが、 経済にはさほど興味を持たなくなった。 基本にあるのは自分たちのアイデンティティを 証明する行為や現象、モノである。 それを私は「文化経済」と呼んでいる。 文化が先に発生してから経済が発生するのだ。 その東京駅再現の過程を記録した本 『進化する東京駅~街づくりからエキナカ開発まで』 (成文堂)が出た。 著者は株式会社鉄道会館代表取締役社長の 野崎哲夫しである。その労と功に敬意を表したい。 都市にはますますその求心力の中心となる 象徴的存在が重要になる時代だ。 シンボリック・プレゼンテーションの時代なのである。
2012年10月29日 C to Cという方式
成熟した日本社会。デッドストックから生まれる新潮流が予見できます。
すぐにでもテーマ別フリーマーケットを開くビジネスモデルを構築していきましょう。
駅ビルにお客様を集客し、商品を提供するB to Cの着想から、 お客様同士が情報を整理したうえで、商品が交換できる場を提供するC to Cへの転換が必要です。
モノは、もう十分に流通しています。
提供者には、商品が売れているという発想から、商品の「考え方を買ってもらっている」という発想へ転換していかなければなりません。
さもなければ、C to Cの潮流に飲み込まれてしまうことは言うまでもありません。 2012年10月26日 もてなしは「感性」。
「料理人のもてなしの心~たん熊北店の料理と器展」が 開かれている(11月27日・火曜日まで)。 京都の名店のひとつ「 たん熊北店」の料理と器に対する考え方とその表現、 いうなればコンセプト&クリエイションである。 3代目のご主人、栗栖正博氏は「器が館で料理は庭」と言っておられる。 器の中に自然を表現しようという気持ちのことで 、いかにも京都らしい発想法だろう。 その表現される世界は、感性そのものに訴えかけてくる、 まさにアートである。 美味しいおいしくないを超えて、目と心に訴えかけてくる日本の料理は、 グルメ、美食といった西洋的概念とは大きくその姿勢を異にする。 すべてを「感性」の視点で見直す時代がやってきた。 2012年10月24日 第3の目線。
私が京都に戻ったとき、よく行く美術館に、「何必館」がある。 規模はさほど大きくないが、選ぶ目線がいい。 美術館はコンテンツである。 同館は訪問に値する美術館である。 今回見させていただいたのは、 フランスの写真家、ウィニー・ロニスの写真展 「ロニスの愛したパリの日常~WILLY RONIS展」だった。 何気ない日常の一こまを切り取っているが、 「第3の目線」とでも言うべき、 もう一つの目で日常を見ている。 誰にでも撮れるようでいて、誰にも撮れないのだ。 私も写真はよく撮るので、そのことがよく分かる 。主観の目線を客観の目線に乗せなおしているのだ。 どの写真も社会を感じさせ、その時代の空気を感じさせる。 まさに時代と社会のリポーター、報告者なのだ。 2012年10月22日 グローバル教育のグランドデザイン
単発で計画を練るのではなく全体のグランドデザインをもってブランディングする。 仕事をコンセプトワーク内で留めてしまっては、疲労だけが蓄積されます。
グローバル教育に米国とともに取り組むことで、「英語力」の質は保たれます。 しかしながら、標準化という枠の中では世界と対等に渡り合うことができません。 そこには英語力+日本特有の個性を帯同させなければなりません。
それこそ日本が選ばれる理由となります。
SCがセレクトショップ自体をセレクトし、個性をもって百貨店との差別化に成功しました。
100人いれば、100通りの経営戦略が求められます。 預かりの思想を持って果敢に取り組むこと。ここに着目し、グランドデザインを描いていくことが必要だといえるのではないでしょうか。
2012年10月19日 もうひとつの都市創造。
最新著書『逆境の変換力~<世界の明かり>を変えた照明デザイナーの美しい仕事術』 (KKベストセラーズ)という本をお送りいただいた。 「仕事は自分が創るドラマ」「仕事はテクニックではない」 「逆境はアイディアで乗り越える」 「美しいコミュニケーションで信頼を得る」 「自分の仕事は地球のどこかに必ずある」 「逆境を成功へと変換するには」「誰もが持っている逆境の変換力」など、 すべてのビジネスに通用する仕事哲学が、 実際の照明デザインの仕事を通じて語られている。 どんなビジネスをしている人でも、 普遍的に必要とする考え方を語っている。 都市の照明デザインは、「もうひとつの都市創造」である。 照明によって、都市はもうひとつの顔を見せる。 A面×B面が都市デザインなのである。 2012年10月17日 新しい火の創造。
小学校時代の友人で、 エコリンクス株式会社代表取締役会長・瀧栄次郎氏から案内をいただいて、 同社が運営する京都エコエネルギー学院主催のシンポジウム 「雪月花のコスモロジー嵯峨野、次なる千年の火を語る 」(エイモリー・ロビンス博士来日記念シンポジウム) というシンポジウムに参加してきた。
そこで『新しい火の創造』(ダイヤモンド社)という革命的な本を著した エイモリー・ロビンス博士の講演を聞く機会を得た。 博士によると、次世代エネルギーの開発は効率が悪く、 経済的にハイコストになるというようなことは決してなく、 ビジネスとして十分に成立しつつ、 次世代エネルギーへの転換が可能であるということであった。 日本はそのリーダーになれるとも述べていた。 石油、石炭、核という身動きの取れないエネルギーから、 次なる「新しい火の創造」の時である。 まさに画期的な思考法であり、大いに刺激された。 デキナイからデキルへの転換こそ、 パラダイムチェンジの本質である。 今時代はものすごい勢いで動いている。 未来へ向かって跳躍するときだろう。 2012年10月15日 情報3.0時代
ユビキタスが実現し、送り手や受け手が自由に情報を共有できる時代です。 それを俗にweb2.0といわれてきました。
インターネット上に限らず、送り手や受け手が自由に送受信できる情報。 錯綜する情報の中から精査して受信する時代を情報3.0と表しました。
より受信が重要視されてくる中、相互受信ではなくなります。 受信能力を高めなければ、これからの時代はきっと何を発信するのかすら、見えなくなってくることでしょう。 2012年10月10日 山中教授の受賞に思う。
山中教授の受賞に思う。
京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長が
ノーベル生理学・医学賞を受賞した。
iが小文字なのはiPodにちなんだのだと言う。
ユーモアのセンスも抜群である。
同氏は一回の講演に必ず一回は笑いを取るのだという。
ユーモアがいかにコミュニケーションにとって大切かを
知っていらっしゃるのだ。
優れた功績、成果があらわれた時に、
まず私たちがすべきことは、
その功績、成果を実現した知恵と構造に学び、
私たちの仕事の中に取り入れることである。
同氏ののやったことは、
①チームワークの推進
②プロセスの重視と丁寧な認識
③好奇心と情熱の全体共有、などであろう。
これは日本人が本来もっている生得的な方法論である。
「集合天才」という言葉があるが、
これは個人が天才性を発揮して何かを成し遂げる時代から、
プロジェクトがチームワークで成し遂げる
「集合型天才力」の時代になったということである。
20世紀の結果重視のみの結論主義から、
過程を大事にする経過主義の時代へ。
それは言い換えれば、経済優先の工業主義からの脱皮である。
文化が優先される文化経済の時代に、
山中教授の方法論は大変大きな示唆を与えてくれる。
あらゆるビジネスが「創造」によってしか
成果を得られない「創造する経営」の時代が始まったのだ。
京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長が ノーベル生理学・医学賞を受賞した。 iが小文字なのはiPodにちなんだのだと言う。 ユーモアのセンスも抜群である。 同氏は一回の講演に必ず一回は笑いを取るのだという。 ユーモアがいかにコミュニケーションにとって大切かを 知っていらっしゃるのだ。 優れた功績、成果があらわれた時に、 まず私たちがすべきことは、 その功績、成果を実現した知恵と構造に学び、 私たちの仕事の中に取り入れることである。 同氏ののやったことは、 ①チームワークの推進 ②プロセスの重視と丁寧な認識 ③好奇心と情熱の全体共有、などであろう。 これは日本人が本来もっている生得的な方法論である。 「集合天才」という言葉があるが、 これは個人が天才性を発揮して何かを成し遂げる時代から、 プロジェクトがチームワークで成し遂げる 「集合型天才力」の時代になったということである。 20世紀の結果重視のみの結論主義から、 過程を大事にする経過主義の時代へ。 それは言い換えれば、経済優先の工業主義からの脱皮である。 文化が優先される文化経済の時代に、 山中教授の方法論は大変大きな示唆を与えてくれる。 あらゆるビジネスが「創造」によってしか 成果を得られない「創造する経営」の時代が始まったのだ。
2012年10月 1日 ニュー・ローカリズム
民族大移動の時代であるからこそ、 多面的に見せるスモールミュージアムが地域に存在していきます。
それは、足元の財を活かした取り組みです。
山積している政治的な課題をローカリズムのまま、 解決を望んでは危険が伴います。 どのようにニュー・ローカリズムを展開させるかを研究しなければなりません。
多角的な視点で 相手を考える知性が求められます。
関係が悪い今、良くなるよう準備を進め、 良い時には、悪くなる準備を進めていってみてはいかがでしょうか。
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