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2012年11月30日 突き抜ける美意識。
今や世界のモダンアート世界でナンバーワンの評価もある 名和晃平氏の美意識と造形術は突き抜けていた。 ニューヨークであればMOMA、ロンドンであればテートモダン、 パリであればポンピドーセンター級のアートである。 目線が完全に世界クラスであり、 その生命的野生観と繊細な芸術観との融合は 、私の感性を強く刺激した。 このような優れた杮落としを持った 阪急うめだギャラリーの志の高さと美意識レベルに敬意を表する。 2012年11月27日 風と流れのアート。
京都の清課堂ギャラリーで、本田ゆうすけ氏の個展が開かれていた。 清課堂は天保九年、江戸後期に錫(すず)師として創業した老舗である。 本田ゆうすけ氏は、「動く彫刻」と言われるモビールのアーティストである。 その“風の揺らぎ”とでもいうべき繊細なモビールは、 感性における生活道具とは何かを問いかけてくる。 飾り物ではなく、心理の癒し道具としての作風は、 無限の可能性を感じさせる。 私もコレクションの一つとして買わせていただき、 私の部屋につるして楽しんでいる。 物と自然が融合したそのモビールは、 まさに「風流」である。 2012年11月26日 学びへの対価
不足することが経済を稼動し続けてきました。
初期は食糧でした。 食糧を確保するために狩猟や農耕を行い、富を築いてきました。 当時、他との関わりを最小限にとどめた自立した生活だったといえるでしょう。
その次に貨幣経済が浸透し、物理的なモノやサービスに対する対価となりました。これを機に、他への依存度が高まりました。
しかし、今、経済の価値が変わりました。 人はもはやモノに価値を見出さなくなり、問題を解決していく学びに多くの価値を見出すようになりました。
このパラダイムシフトにあわせた魅せ方や伝え方の革新していかなければ、旧来のビジネスモデルにしがみついている企業は凋落していくことでしょう。 2012年11月22日 変化の本質。
変化とは連続的である。まさしく「ゆく河の水は絶えずして、しかも、もとの水にあらず」だ。 変化は変化と連続的につながっているのである。 ファッションとは、まさしく「変化」を連続的に着るものだろう。 それが情報としてのファッションの本質であり、 そのことを本当に分かっているのがセシルマクビーの ジャパンイマジネーション会長の木村達央氏だろう。 変化する情報、それは言い換えればメディアであり、 変化への順応こそ、サービスの本質である。 『セシル・マクビー 感性の方程式』(日本実業出版社)を読めばそれが分かる。 木村会長とは長いお付き合いだが、 その変化の本質をわきまえた自由な発想にはいつも教えられる。
2012年11月19日 旧概念よ、解散せよ
ついに国会が解散となりました。
パラダイムシフトのときです。 せめぎあいの中にある対抗概念同士の中間に第三局が現れます。
今、小政党が乱立する中、リ・ユニオンの道程にあります。 しかし、第三極となる部分は類似してきます。
まずは余剰のウェアラブルを脱ぎ捨てることが再創造のシナリオとなるでしょう。
資本主義、社会主義が崩壊したように情報化社会は気付きを活性化させ、新たな価値が日々生まれています。
モノからココロに価値軸が転換した今、利己的な考えからシンプルな発想に切り替えていく必要があるのではないでしょうか。 2012年11月16日 生活芸術専門塾.
日常の生活こそ、最高のアートである。 時代は成熟し、ついに生活芸術の時代に入った。 京都に「アルス シムラ」という」染織の専門学校が開校した。 学校というより塾といった規模にふさわしく、 志村ふくみ、志村洋子という親子が 「染織の世界、色の世界を、芸術体験を通して学ぶ場」を提供する。
生活芸術はアルチザンなど世界中にあるが、 その共通するところは何代も人によって引き継がれ、 芸術という特殊なポジションに引きこもることなく、 日常の中で使われ続けてきたということである。 この「アルス シムラ」もそのような生活芸術運動の一環と見ることができる。 末永くご活躍されんことを祈る。 2012年11月15日 店舗とミュージアム。
象彦は300年以上続く京漆の専門店だが、 近年、象彦美術館(京都本店二階)を創設した。 自分たちが長年蓄えてきた漆製品やその技術を 公開することがテーマである。 店はすでに物を置いておくだけでは単なる倉庫である。 その物を支えてきた歴史、技術などをアートの視点で再編集して プレゼンテーションすることが大切だ。 それが文化の時代の集客パワーなのである。 12月からはこの時期にふさわしい 「祝いの蒔絵~京漆器に見る吉祥文様」である (12月1日~2013年1月29日)。 日本の食文化とそのライフスタイルの中に 取り込まれた美意識を鑑賞したい。 2012年11月13日 ビジョン!私も理事として参加させていただいている日本デザイン機構は、 トークサロン「今の共有」という パネルディスカッションを随時開催しているが、 9か月ほど前になるが、評論家の大宅映子氏を招いて、 「今、<ビジョン>を考える ~なぜ明快な<ビジョン>が出ないのか」 というテーマで開催された。 混迷の時期といわれる今日、 ビジョンほど必要とされるものはないだろう。 どのような分野の問題も、 グランドデザイン、セントラルコンセプトなしに、 一歩も進めない時代である。 大宅氏の「日本的ビジョンとは何か」という投げかけに対して、 会場からいくつも意見が提出され、 活発なディスカッションが行われた。 まだ「これ」という段階までは達していないが、 文化が何事もリードする時代、 ビジョンディスカッションほど大切なものはないだろう。
2012年11月12日 日本人が顧客。
伊豆急はもともと東急電鉄だったので、 私も学生時代アルバイトで、伊豆急のクリエイティブの参加し、 大学の卒論も伊豆急に関するものだった。 最近、再び伊豆急に関するプロジェクトに参加することになり、 ある種の感慨がある。
中国や韓国からの観光客の誘致が今観光戦略の鍵になっているが、 国内旅行の最大の観光客は、当然のことながら、日本人である。 今再び日本人が日本人であることを再確認する時代に入っているが、 日本の文化や風土の本質を日本人にいかに伝えていくかは、 これからの観光戦略の鍵になるだろう。 観光は文化の時代、新たな素材とコンセプトの発見、 伊豆の再戦略化も、その流れに乗っている。 2012年11月 9日 生活文化創造市場。
梅田の阪急百貨店が11月21日にフル・リニューアルオープンする。 それに先駆けて、10月24日に一部先行公開され、私も行ってきた。 最大の見所は、「買い物客以外の来店動機を作る」戦略の元、 新たに創設された祝祭広場と さまざまな手作り市場で構成されている「スーク」だ。
今顧客は全員がライフクリエイターとなり、 自ら生活を創造しようとしている。 そのような要請に市場感覚で応えようとしているのが「スーク」だ。 生活は今や道具と雑貨の時代になった。 雑貨こそ、これからの消費の主役である。 文化が経済をリードする文化経済の時代が来たと 私はかねてより述べてきたが、 時代がようやくそこまで来たことを「スーク」を見て実感する。 商業は市場の時代になったのだ。 自分流の生活文化を創造しようとする顧客に焦点をあわせねばならない。 2012年11月 8日 水と森の話。
日本は国土の約70%が森林の「森の国」である。 その森から水が流れ出して、土と海に生命を与えているのだ。 その日本の森が中国を中心とした海外資本に買われているという。 考えてみれば恐ろしい話だ。生命の根幹を抑えられているのだから。 日本は島国なので、海外と国内という認識しかない。 中間の「国際」という認識が薄いといってもいい。 この現状に警鐘を鳴らしているのが平野秀樹氏である。 このたび、『日本買います~消えていく日本の国土』(新潮社)を出された。 まさに警鐘の書である。 世界は日々変化している。 真の地球主義のあり方を問い直さねばならない。 2012年11月 6日 色彩生活学。
壁紙を張り替えるだけで、部屋の印象が一変する。 視覚がコミュニケーションの80%以上を 占めているというのはもはや常識であるが、 これは言い換えれば「色彩」が80%以上の コミュニケーション手段であるということだ。 この色彩の力を科学的に分析し、 色彩生活学の基礎を与えようとしているのが 本書『COLOR WORKS』の著者、秋山千恵美氏である。 色彩はどのように組み合わされて、どのような心理的影響を人に及ぼすのか。 顧客がライフクリエイターになった時代、 まだ未開拓の大変大きなマーケットである。 秋山氏の今後のの研究と成果に期待したい。 2012年11月 5日 働き方=生き方
全員が共通して、死に向かって生きています。
生に値する価値と認識して、今を暮らしているのか考えていかなければなりません。
仕事とプライベートを区別させて充実した余暇を過ごす価値観がありますが、 好きな仕事をして生きていくことのほうが充実したものになるのではいでしょうか。
それには、顧客のことを常に念頭に置いておかなければならなくなります。 顧客ニーズをサービスに取り入れましょう。
そんなことを考えていれば、顧客のことを常に考えること、素敵な時間の過ごし方といえるのではないでしょうか。 |