|
2013年2月27日 世界を映す建築。
建築は常に建築家の世界観、社会観を映すものだが、 氏のコンセプトは「小さな建築」である。 20世紀の建築コンセプトが「大きな建築」であったとすれば、 その真逆である。 コンクリートと鉄によって、より大きく、より強固に 巨大ビルを建てる20世紀の建築は、 言って見れば開発型、であった。 氏の建築はその土地にある素材を使い、 その土地の文化を取り入れることによって、 風土に順化しようとする。 21世紀型の見事なコンセプトである。 氏の建築成果と哲学を紹介する英語版もすでにある。 氏へのインタビューを弊社マーケティングジャーナル誌 「ライフデザインジャーナル」に掲載させていただくため、 取材させていただいて、ますます氏の世界観に共鳴した。 2013年2月25日 デザイン、マーケティング、社会学へ
東京マラソンが開催され、約3万3000人ものランナーが一斉に東京の街を駆け回りました。
ランニングは、ストレッチと並び、健全な体の保持するための基礎的な運動です。
今、ランニングに関連した新しいクラブが弊社で立ち上がろうとしています。 そうして、素敵な時間の過ごし方を提案しつづけます。
これは、想像力の成せる業です。 どうすれば、素敵な時間が生み出せるのか。 これらすべて、イマジネーションに由来します。
時代の転換期、デザインも、マーケティングも、社会学の領域に踏み入れました。未来を構想することで、明日が見えてくるはずです。 2013年2月20日 江戸の智恵~持たずの思想。
養老孟司氏と徳川恒孝氏の対談集『江戸の智恵~ 「三方良し」で日本は復活する』(PHP研究所)を読んだ。 「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」が 「三方良し」だが、近江商人の商売哲学といわれたこの考え方は、 江戸時代にぴたりと当てはまるらしい。 帯に「日本人には<ほどほど>がちょうどいい」とあるが、 これは今の日本と世界に当てはまる考え方である。 ビッガー・イズ・ベターのアメリカ式大量主義から 日本や東洋のほどほどサイズ主義の時代への パラダイム転換期が今である。 養老孟司氏の説明はもはや不要であろう。 徳川恒孝氏はなんと徳川宗家十八代目当主であり、 世が世ならば、「将軍様」「お殿様」である。 なるほど悠然としたお殿様然とした発言が随所に見られるが、 その指摘するところは的を射ていて、 教養とはこういうものかと納得させられる。 「江戸の智恵」とは一言で言えば「持たずの暮らし」だろう。 際限のない物質主義の踊らされてきた日本人も、 ここへ来て、待てよ何かおかしいぞ、と気づき始めた。 そして行き着いたのが「江戸の智恵」である。 ほどほどで十分ではないか、物を持ちすぎると不幸になる。
当社も「江戸美学研究所(通称、エビケン)」という サイトを立ち上げて、江戸美学の研究にいそしんでいるが、 その理由も江戸時代のほどほどの思想と そこから発信される美意識と知恵に共感したからだ。
もはや江戸はブームではない。 それはライフスタイル思想なのだ。 2013年2月19日 歌舞伎。1603年(関が原の3年後である!)の 出雲阿国の「かぶきおどり」に始まって、 延々400年以上にわたって日本芸能の中軸を占めてきた。 サントリー美術館が歌舞伎座新会場記念展 「歌舞伎~江戸の芝居小屋」を開催している(3月31日まで)。 驚くのはその豊富な絵画資料である。 カメラもビデオもない時代、これらの歌舞伎絵は、 見事にその風景を私たちに残してくれた。 そのエネルギーは、今も一級のパワーである。 勘三郎、團十郎と、中核を担っていた名優が惜しくも続けてなくなり、 その前途を危ぶむ声もあるが、 歌舞伎には「形」と「代々」という 遺伝子があるから心配には及ばないだろう。 歌舞伎の持つ抽象芸術性と美学は、世界に通じる。 絵本と同じで、言葉がなくても分かる美学なのだ。 スタイルの持つ力に改めて感心する。 歌舞伎。 そのエネルギーと美学に心を打たれる。 2013年2月18日 チャンスと選択肢。
高度情報化社会の今日、生活者の目の前には多様な選択肢が用意されている。 どれをどのような姿勢で選択するかが購買というものだろう。 それは単なる消費を超えて、生き方の選択にまで及んでいる。 つまりライフスタイル、ライフデザインの時代が来たということだ。 どんな選択も積極的なポジティブな視点で選ぶ。 情報の見事な使い手となった生活者は、 まるで生活デザイナーのように選択肢の中から選択する。 基本は欠如もチャンスと見る肯定的な態度だ。 その選択肢が急激に集中する時があり、 それは連鎖してもう一段上の選択肢となって世界を覆う。 情報が世界を動かすということは、選択肢の連鎖が動かすということだ。 この目で社会と市場を見直したい。 2013年2月15日 立命館大学経営学部50年史。
前回の内田繁氏の『戦後日本デザイン史』に続く、「通史」である。 経営学部は私も5年間教鞭をとっていた学部で、 そのスローガンは「ビジネスを発見し、ビジネスを創造する経営学」である。 もはやビジネスは出来上がったもの継承しているだけでは生き残れない。 自ら創造するものへと変わったのだ。 日本とアメリカの経営差は、その創造性にあるという。 日本企業は、新規事業や新商品・新サービスへの売上高比率は6.6%に対し、 アメリカは11.9%。日本のほぼ倍である。 自社、市場の双方にとって新しい「革新領域」は日本11.0%に対し、 アメリカは51.%(いずれもデトロイト・トーマツ・コンサルティング調べ)。 企業はインベンション&イノベーションの時代。 立命館経営学部も、この方向をさらに極めて人材を育ててほしい。 2013年2月14日 「通史」の時代。
『戦後日本デザイン史』(みすず書房)をまとめられた。 帯には「最先端の現場を知るインテリア・デザイナーによる壮大な通史」とある。 戦後60年、今あらゆるジャンルで総括が始まっている。 何でも50年たたないと歴史にならないというが、 今が歴史的検証の時期ということなのだろう。 戦後を大きく総括すれば、工業化と情報化ということになるだろうが 、総括するということは社会学的作業である。 実によくまとめておられる。労作というべきだろう。 そのエネルギーと博識と見地に敬意を表したい。 2013年2月12日 ファミュニティ。
ファミリー+コミュニティという造語である。 シェアハウスなど、暮らし方の新しいファミリー化が急速に進行している。 このような事例の示す意味は大きい。 コミュニティの新しい未来は、擬似家族とも言うべき ファミリーライフスタイルの中にあるだろう。 核家族化によってほとんど個別に分裂してしまった日本の家族形態は、 ファミュニティ概念の進行によって、新しい共同体性を取り戻しつつある。 付かず離れず、それでいて配慮と気遣いを忘れないコミュニケーションが 生まれつつあるのだ。 新しいコミュニケーションの暗黙知が生まれつつある。 2013年2月 8日 VISIT DESIGNING TRAIN.
3月16日、「スーパー小町」としてデビューし、 東京・秋田間を最速3時間45分で結ぶJAPAN RED、 秋田新幹線E6系に試乗させていただいた。 最高時速300kmを超えるシャープな走りと行き届いたサービスを、 大宮・仙台間で楽しませていただいた。 JRを中心とする日本の鉄道技術は、おそらく世界一だろう。 しかし鉄道がいかに進歩しても、 常にテーマは行く先とその理由である。 私流に言わせていただけば、 訪問に値する価値の創造、ビジット・デザイニングである。 幸い東北は行く理由の宝庫だ。 これを「伝え方の革新」によって、 魅力的に興味深くメッセージすることがなによりも重要になる。 JAPAN REDの就航をお祝いするとともに、 今後の課題にもさらに挑戦していただきたい。
2013年2月 5日 「群生する個性」効果。
私も所属するJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)が、 東北の子供たちのスケッチを一枚のハンカチにする 「やさしいハンカチ展」という展覧会を開いた。
グラフィックデザインに何ができるか、という、 ひとつの問いかけである。 子どもとデザイナーのコラボレーションである。
私が最近よく言っている「群生する個性」表現である。 同じテーマの元、いくつもの個性が集まると、 それはより大きな輪郭を持った個性表現になるということだ。 「集まる」と「集まったもの」以上の力を持つ。 1を100集めると101になり、もはや分割できない。 ホロニック&シナジー効果である。 この認識はますます重要になるだろう。
2013年2月 4日 感性型市場戦略
何もかも自在に使えることが重要です。 生活雑貨に限らず、住宅や庭ですらも自在に使えることが求められる時代です。
生活者は、気に入った暮らし方を追い求めています。 そうして全員がクリエイターとなった今、それを発表できる場所、評価される機会を求めています。
従来通り、オリジナル商品を提供する店舗から、デザインオーダーサービスを稼動させていかなければなりません。 つまり、生活クリエイターを顕在化できる教室や展示スペースを提案していきましょう。
まさに生活芸術家の時代に突入したということです。 |