|
2014年4月30日 無色有情
私の後輩である百瀬恒彦氏の写真展を訪れました。
彼がモロッコを旅したときの作品は今の時代を受信する、するどいアートジャーナリストとしての世界観が漂っています。
今、写真家という職業はとても難しい時代になっています。
写真は、技術的な課題がクリアにされ、誰もが平等に写真を楽しめ、分かち合えるものとなりました。
彼の作品は、クラフトマンシップという姿で印画紙を工夫しよりアート性に近い作風を打ち出しています。
写真が現代を写し出す装置だとすれば、静止画像の中にはメディア社会における固定という概念の鋭さは、まさしく絵画と同じ課題に直面し、ビジュアルアートという領域にまで到達しました。それはまさしく過去をリセットし、新しい世界へのシナリオを見つけようとしています。
カメラマンとしての資質は、生き方と繁栄の中で何を得ようとしているのか、というところに収斂されます。
多様なコラボレーションテクノロジーから、何が人生をかけて追求するテーマなのかが問われているのでしょう。 |