2014年5月27日
上野千鶴子の選憲論
拙著『幸福の風景』を友人である上野千鶴子さんへ送ったお礼として、『上野千鶴子の選憲論』をいただいた。
昨今、集団的自衛権が大きな争点となっています。
憲法をその時々の情勢にあわせて解釈を変えることで乗り切ろうというのが政治家や憲法学者の知恵の見せ所のようになっていますが、そのいずれも護憲派か改憲派に二分されます。
この書籍の中で上野さんが主張されているのは「選憲」という第3のやり方です。つまり、占領下でアメリカから押し付けられたものとして憲法を捉えるのではなく、今度は自分たちの手で平和憲法をもう一度選びなおそうという提案です。
戦後70年経ちましたが、日本はその間戦死者ゼロという世界的に見ても歴史的に見ても奇跡としか言いようのない平和を享受してきました。
しかし、この平和が奇跡的であることを忘れてしまい、平和の尊ささえも忘れてしまっているかのような気配が今の日本にはあります。
杓子定規の二元論をいつまでも続けるのではなく、もう一度平和を選ぼうという「選憲」の力。更なる議論を深めていくためにも、この一冊をここで紹介したい。