2014年9月26日
カンッピ礼拝堂
先日訪れた北欧のヘルシンキで、お椀のような建物に出会いました。
2012年に完成したカンッピ礼拝堂です。
教会は、建築家にそれぞれの個性を発露することを求めます。
安藤忠雄は水で、
マティスは光の教会。
この礼拝堂をデザインしたキーモ・リントゥルをはじめとする3人の建築家はフィンランドの木で、
教会という非日常の空間を包みました。
ここはヘルシンキでも最も賑やかなエリアですが、
その中にあってこの礼拝堂は別名『静寂の教会』と呼ばれています。
都市は今、シアターという物を求めています。
教会は、芸術的で華やかなドラマではなく、むしろ一人ひとりの内面に心理ドラマを呼び起こすという点において、北欧の生活者たちの間で一つの劇場として機能しているのではと睨むところです。
喧騒の中にこそ静寂という認識はそれを示しています。