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谷口正和 プロフィール

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2016年2月29日

京都で2つの展覧会

3月15日から、京都で2つの展覧会が開かれます。

 

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長年の友人、玉村咏氏の染色家45周年記念展覧会が京都文化博物館にて。

クリエイティブウェアリングにおけるカラーマジシャンという顔を持つ。「千色万彩」というコンセプトで色彩の持つ無限の可能性に歩んできた彼の「発想の多面体」を感受する。

 

 

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錫を中心に金属の匠として活動してこられた清課堂の山中氏が推挙するアーティスト 鈴木祥太氏。

金属の持つ無限の可能性を込め「循環」と名付けられた金工展が清課堂奥画廊で開かれます。

芸術も生活道具なりということを心得られており、この繊細なタンポポが金属であることに驚嘆します。

 

3月15日より京都で同時に開催されるので、是非この春の開花と共に、小さくても光るエキシビションに注目されたい。

2016年2月23日

東京五美術大学 連合卒業・修了制作展

東京五美術大学 連合卒業・修了制作展におうかがいしてきました。

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ファインアートの領域で、洋画、日本画、彫刻などの区割りを超えた集合。その中で時代の空気がどのように捉えられ表現されているのかに興味がありました。

やはりメディア社会の中で大きな表現のファクターを占めているのが色彩であり、ビビッドな色だけではなく、静かな色も含めて色彩への表現力が問われています。

世界が連鎖して流動していく中で、予め社会認識と問題意識を個人の中に蓄積しておけば今後の卒展により磨きが掛かっていくと感じます。

2016年2月22日

ピカソ展

日本橋髙島屋8階ホールで28日まで開催されているピカソ展に行ってきました。

ルードヴィッヒ美術館所蔵のコレクションを中心にし、ピカソ自身のポートレートなども加えてエキシビションを構成しています。

 

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膨大な数の作品を生み出したアーティストは、時代を画するだけの芸術発言力が高い。

キュービズムから新たな表現の土俵として、1度絵画を解体して再構築するような感性と物理・論理を複合したトライアルを超えていったのがピカソ。

最も影響力のあるアーティストは誰だとサルトルが問われたときに彼を挙げたこともうなずけます。

2016年2月17日

graphic design visionaries

『graphic design visionaries』(SPACE SHOWER BOOKS  税別3800円)では世界のグラフィックデザイナー75名を紹介している。

 

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情報社会の視覚表現を興味深く速度を持って伝達するためにコミュニケーションを形成してきたのがグラフィックデザインの役割だった。

かつて世界では優れたデザイナーが多岐に渡る活躍を見せてくれたが、今日は商業主義と融合し、人生や生涯に渡る目的とは無縁になりつつある。

この情報社会の中で、ビジュアルデザイナーは商業主義に走り過ぎない社会表現を求められているのではないか。

デザインを小手先の金儲けから切り離し、再び社会的なミッションと重ねて考える時代が来ているのである。

2016年2月15日

New York 2016 Art City

ニューヨークはアートシティからアーティストシティへの転換が行われ、現代美術の視点であらゆる職業が再編されようとしている.

 

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世界都市はそれぞれメディアとしての役割を引き受けながら、先行した個性を提示し、メディアシティと呼べるような構造の中で価値の創造を競い合っている。

東京への睨みも含めながらメディアルな表現力を理解したい。

2016年2月 8日

スマート・テロワール

元カルビーの社長 松尾雅彦さんからご著書『スマート・テロワール』(税別1800円 学芸出版社)を頂いた。

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「水田を畑地に大転換すれば 農村は15兆円産業を創造できる」という言葉が帯にあるように、農業に21世紀の最大の可能性があるという社会論を提唱さている。

 

自らが生きていくための力が問われる時に軸足となるのは食物であり、それを可能にする「場所」と人々の「コミュニティ」を含有している概念が「テロワール」。

小さい規模でも良いので自分で食べるものは自分で賄う。それが小生が注目している生き方、ライフクリエイターという認識と繫がっている。

生活と農業と未来を結び付けていくこの構想と行動を応援したい。

2016年2月 1日

挑戦のススメ

弊社プログラム「文化経済研究会」で、和紙デザイナー堀木エリ子氏、出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン社長干場弓子氏をお招きして、女性の時代を代表するご両名に素晴らしい未来への意志をお話いただいた。

その時のご縁から生まれたのがこの『挑戦のススメ』です。

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(ディスカヴァー・トゥエンティワン 税別1400円)

 

堀木氏は学校で和紙の技術を教わった訳ではない。

和紙の世界に感動し、それを受け継ぐ人が居ないのならば私が引き受けようと、自分の中に内在するパッションと社会課題そのものを結びつけた生き方を実現されている。

堀木氏のメッセージはあなたの生き方に一滴の波紋を与える。

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