2016年5月31日
若沖の衝撃
若沖展が大人気の中幕を閉じた。
和樂が「若沖の衝撃」ムックで発行している。
100年先の人に評価されたいという本人の言葉から、
今の時代の人に寄り添うようにしてなんとなく描くことはしないという意志を見ることができる
現状認識から脱出して自由に羽ばたくのである。
私も絵を描くので分かるが、彼は構想や着手が早い。表現の中に速度がある。
芸術はいつまでもダラダラ書けばシャープさを保つことは難しく、
構想が枯れないうちに一気に書き上げなければならない。
若冲の再評価はアメリカ人収集家ジョー・プライスによるところが大きい。
他者目線による気づきがなければ、足元に光ったダイヤモンドはなかなか日本でも見つけられない。
京都の錦通りで生まれ育った若沖、芸術と商人とクロスした魂によって時代を突き抜けた生き方に注目したい。