2016年10月 4日
マーガレット・ハウエルの「家」
今日注目に値する価値を形成しているのは、人はどのように生き、暮し、感性と思考、生活哲学に対する足跡を残したかという問いかけである。
一人ひとりが想いを高めて、社会貢献もにらんで自らの人生経営を実践していく時代とも言える。
これからは創造的挑戦に対する熱い意識が、生き方経営における最大の資産であり、セルフスタイリングが共感として広がる市場を形成する。
そして生活物語の主人公としてのビジュアルインタビューブック『マーガレット・ハウエルの「家」』(集英社 税込1728円)が出版された。
マーガレット・ハウエルは非常に人気のあるクリエイターだが、単なるファッションブランドではなく彼女のライフスタイルそのものの公開と提供ということがショップを成立させている。
ロンドンで生まれ、都市のリバーサイドで育った彼女の思想と着想は時代と併走しており、自然と共生する暮しの中から色んなものを感受し、生活におけるライフデザインコレクターとして活躍している。展開されている店舗は自らの名前を冠し、ギャラリーのようだ。
洋服だけを売るのではなく、ライティングや空気感に至る細部にまで張り巡らされた生活感覚が支持されている。無人称の企業のように拝金主義的な拡大はせず、彼女自身のエイジングと重なった経営。
ロンドンというインターナショナルシティに育った一人のクリエイターの生き様としての一冊をここにご紹介する。