<SURSUS 的移動手段を考える>
前回のトーホー工業さんが取り組む「サイクルトレーラー」の取材からヒントを得て、今後のSURSUS的 移動手段を考えてみたいと思います。
トー ホー工業さんは震災直後から、輸送力を失った被災地にトレーラーを送るプロジェクトをスタートさせていました。燃料がいらず、小回りがきくトレーラーは、 現在被災者の皆さんの生活のさまざまな場面で役に立っています。トーホー工業さんは、これまでにトレーラーを大小あわせて30台以上被災地に届けたそうです。
トレーラーが活用されたシーンは、具体的には、
●瓦礫の撤去
●車で配送できる状況にない被災地で、物資受け入れ窓口に届いた荷物を個別に配送する
●1世帯毎の距離が遠い自宅避難者への個別配送
●軽トラックで行ける所まで行き、そこから人力で運んでいた木材や鉄骨、飲料水などの重い物資の移動
などだそうです。トレーラーの簡単装着、頑丈、メンテ不用という利点がまさに被災地で有効に機能しているといえます。今後もトレーラーの存在は、被災地の復興を助け、また、既存エネルギーに頼らないという意味でも、復興後もさまざまな場面で活躍していくことでしょう。
私たちがこれまで考えてきた「SURSUS」とは、
生き延びること(サバイバル)、そして継続すること(サスティナビリティ)「SURVIVAL & SUSTAINABILITY」。2つの頭文字から「SURSUS(サーサス)」という名前が生まれました。「生き延びる」ということは「誰かが助けてくれるであろう」というような他者願望ではなく、「生き延びるための主人公は自分である」という認識をもつことが大変重要になってきます。そして、その行為の軸足にあるのが、「自己解決・自立」であり、そのシナリオをそれぞれが持つ、ということになります。
今回、取材させていただいたトーホー工業さんのサイクルトレーラーは、私たちの「SURSUS」コンセプトにマッチした「SURSUS Item」といえるでしょう。
近年、様々な生活のシーンで、「エコロジー」であることが重要視されていることは言うまでもありません。特に震災直後に起きたエネルギー不足は、改めてこのことを再認識させるものとなりました。電気、ガス、水道、ガソリン。どれをとっても近代社会において必要不可欠なライフラインになっていますが、その当たり前であったものが被災地では全てが失われたのです。首都東京も例外ではありませんでした。勤務先から帰宅方法、ガソリン不足による物資輸送の停滞。電力不足による断水、停電。すぐ近くまで飲料水を運ぶのに苦労した方もいるかと思います。
このことからも、今回の震災を機に、サイクルトレーラーが、そういった災害時の緊急的ツールとしてではなく、日常的に使用されるような「自己解決・自立」した生活の重要性がますます再認識されるでしょう。
ものづくりカンパニー 株式会社 トーホー工業
神奈川県横浜市金沢区幸浦1−15−19
mail toho@mxy.mesh.ne.jp
TEL 045-771-7321
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