高層マンションなど、高い建物からの避難のあり方が変わりつつあるようです。
火災発生時、高層階にいた場合、皆さんはどうやって非難をしますか?
エレベーターは使用せずに階段を使用しますよね。
しかし、高齢者がそばにいる場合はどうしますか?
今回、東京消防庁が条件つきで新たな方針を認めました。
高齢者など、歩行がは、階段ではなく、非常用のエレベーターで避難をするというものです。
非常用エレベーターとは、通常のエレベーターとは異なり、
火災の際、消防隊が使用するエレベーター。
高さ31メートルを超える建物に、設置が義務付けられています。
マンションやオフィスビルなど、都心部で建物の高層化が日々進んでいます。
そこで懸念されるのが、火災。
高層建築での火災は、いったん燃え広がると、多数の犠牲者をともないます。
2010年に上海の高層マンションで火災が起きた際、死亡者は50名に達したそうです。
高層ビルの特徴は、煙に弱く、煙が上方向に流れる場合、
急速に上層階に煙が充満する可能性が高いのです。
必要なのは、上の階からの一刻も早い避難です。
普段使用するエレベーターは、火災時に止まる機能のものがあり、
閉じ込められるなどのおそれがあるため、
避難には使用してはならないとされているのが一般的です。
そのため、階段の使用が原則ですが、
高層階になればなるほど、高齢者の避難は困難となります。
以前TVで「階段を上ると下るのではどちらの負担が大きいか」
という内容をやっていたのを思い出しました。
もちろん下る方が楽に決まってる!とその時は思いました。
しかし、実際には高層階をてっぺんから下まで下り続けると、
徐々に一歩一歩が重くなっていき、
ようやく地上階で到着する様子を目の当たりにしました。
これを高齢者の人や身体障害者の人を介抱しながら下りるとなると、
相当な負担がかかります。
そうした現実に対処するため、
東京消防庁は10月から全国となる新たな方針を取り入れました。
都内にある六本木ヒルズ。
階段では10分以上かかった52階から2階までの所要時間は、1分19秒だそうです。
実際に、非常用エレベーターを避難に使用するためには、
煙や炎から逃れられる一時避難エリアの設置が求められるほか、
歩行困難者をそこに誘導して、自分たちで組織する自衛消防隊が、
エレベーターを操作することなどの条件を満たしたうえで、
地元消防長への届け出が必要となる、とのことです。
建物の高層化と人口の高齢化で、
火災時の避難対策は今後さらに全国的な課題としてとりあげられる見通しです。
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