昨年、南海トラフ巨大地震や首都直下自信の新たな被害想定が公表された。
被害は広範囲にわたるため、私たちのもとには一週間公助救助が来ない恐れもあるため、
人々は自力で救助したりすることを迫られている。
神戸市消防局は引き上げられた想定を前に、
「初動では、救助の要請があっても全勢力を消火活動に振り向ける」という苦渋の方針を打ち出した。
この決断の背景には、
19年前の阪神・淡路大震災のとき、
消火と救助の双方に追われ、
効果的な対応ができなかったという苦い教訓がある。
消防がこうした方針を周知するなか、
住民だけで救助や避難ができるよう訓練を重ねている地区がある。
それが長田区真陽地区である。
地域が連携し、身近にあるものを最大限活用して救援活動を行う体制作りを進めている。
この地区の住民は、阪神大震災を次のように振り返る。
「自分も逃げたいし、人も助けたい。
でも道具も頭もない、本当に無力だった」
津波が迫る中で救助の声が聞こえたら6割が「助けに行く」という調査もある。
これを受けて、同地区では時間制限を設けるなどしてより実践的な防災訓練を実施。
災害時に救急車が来れない場合を想定し、
地域にあるものでけが人を搬送できるかの実験も積極的に行っている。
スーパーマーケットの買い物引きは道がガタガタしていると難しく、
宅配便用の荷台などは使用が可能だ。
このようにして、実践的な訓練を続け、
地域にあるものを活かして災害時に備える活動は手本といえる周囲も見習うべき姿である。
何よりも、日頃からの地域住民ひとりひとりの役割分担をはっきりさせておく必要があるだろう。
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